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2014年7月31日木曜日

「エスケープゴート」オリジナルPV製作ウラ話





歌:巡音ルカ

作詞・作曲:misa(くるりんぱP)さん

イラスト:ドヴォルザークさん

イラスト・動画:はこのリテ


私がこの曲のオリジナルPVを製作するに至った経緯といいますと、

ピアプロで「イラスト募集」だったこの楽曲に出会ったことがきっかけであります。

(よくイラスト募集の楽曲を検索しています。何度も聴きたくなるくらい気に入った曲で、

かつPVが作れそうな場合にのみコンタクトをとり、PV製作担当にさせて頂いております)




この曲は、民族衣装や海外の文化が好きな私にとっては!!!な曲でした。

しかもアルプス。強いてどこの国かいうとスイス。(オーストリアでもいいかもですね)

民族衣装はどちらかというとオーストリア寄りのものにしました。5年前に観たある番組の

ハルシュタットにいた少女が着ていた衣装がかわいかったです。


アジアンな民族調も好きですが、アジアの民族衣装をほぼ描かないので、

担当になるのをなるべく避けています^^;

いつか描けるようになりたいです。いや、今からでも・・・

(実験的にこいつに担当を与えてやろう、なんて人どうぞ。

どうなるかは分かりませんが喜んで引き受けます\(^o^)/)




まずは、イメージ。この曲はとても表現しやすかったです。

まずはアルプス地方の生活について調べます。

民族衣装はもちろん、食文化、食事の数、生活様式、

ヤギは実際にアルプスで飼っているのか(今はあまり飼っていないそうですね)などを調べます。

やはり一般的なアルプスのイメージに沿ってつくることを心がけました。

夏のアルプス、といった感じですね^^冬にヤギさん逃げたらどうなるんだろう(^^)

(青い空、そびえる山々、山小屋、ヤギ。)

ちなみに、パンが黒っぽいのも、穀類を多く含んでいる黒パンを表現したものです。





色々なシーンを描いております。

このなかからまともなイラストを選びます。


清書し、カラーにしたものがこちら。(ごく一部です)



背景はこんな感じです。ヤギを追いかけるシーンはこれをスクロールさせていました。









それでは、これからシーンごとの解説を行います。



冒頭に数秒の無音部分があったので、

リスナーさんがニコニコで再生する時に冒頭部分が何も動いていなかったら

すぐ帰ってしまう可能性があります。

ここで少し動きを見せて、

このPV動くぜ!!!というアピールをします。

最初よければかなりよし。




伴奏がほぼないまま歌詞に突入。

この早い感じがいいですね。





タイトルシーンです。

いろんな方向からヤギさんが飛んできます。







ヤギさんがフリーです。もうやりたい放題させて頂きました。





間奏が長い、という特徴があったので間奏ボードをつくりました。

この間奏部分にいかにストーリーをつけるかを重視してつくりました。

子ヤギがミルク缶を押しています。(その後、親ヤギが一緒に押して持って行ってしまいます)






サビ部分です。カオスです。

この画面にヤギ何体いるんだというくらいです。

しかも動きが・・・

(夕日が差しています。時間の経過も表しました。)






間奏部分です。家はハイジの家(スイスの観光地)を参考にしました。

すごくシンプルなんだな、と勉強になりました。



チーズが床を張ってきて、それをルカさんが取るという

意味不明な一連の出来事は説明がつきません。






ヤギさんフリータイム。後ろの黒ヤギなんてチーズの上です。






間奏のシーン。子ヤギさんがあるものを落としていきました。




さらに違う間奏のシーン。パンがルカさんの口に飛ぶ。




ヤギさん逃げてしまいました。





顔芸が印象的な最後のサビ。

パニック映画に出れそうなくらい。





最後はやはりこの看板で締めます。





この楽曲のPVも製作に3週間はかかりました。

平日には夜のみを使い、GWも利用しました。

私が作曲者さんにコンタクトをとる前に、すでに1枚イラストを描かれていた方がいらっしゃったので

そのイラストを活用しながらの製作となりました。

楽しそうにヤギさんと踊るイラストで、回想部分に使用しています^^是非ともじっくりご覧ください。



最後に、クレジットで動画内にルカさんの名前を入れるのを忘れてしまいました・・・

何度も確認したつもりなのですが、大きすぎるミスゆえ気づきませんでした><

確かに自明ではあるけれども^^;

ルカさんごめんなさい。




「BLINDHEIT」つくってみたPVのウラ話2

こちらの記事では、部分ごとに解説していきます。












歌:初音ミク

作詞・作曲:黒(不愉快なトナカイP)さん

つくってみたPV:はこのリテ




まずは、伴奏の部分です。ここは実は一番最後につくったシーンです。

アニメPVということで、冒頭からアニメにしたいということでアニメにしています。

さらに、ロック調の伴奏の前の静けさのようなものを表現したかったので

目が見えない・見えにくさを表現しました。

実は、フレーズが変わるときに、主人公の目が白から赤にかわっています。




伴奏がロック調の部分に入ったときのシーンです。

ロックのよさが表れていて、とても好きな部分なので色々とこだわりました。

先程の暗闇から目が開いていくイメージです。




ちなみに幕が開くような目のアニメのコマ数は10枚で出来ました。

ちょっと躍動感をつけたかったので開き方にクセをつけました。




クレジット表記についてです。




実は、本当はSONGではなくLIEDにしていました。ドイツ語で同意語です。

MUSICも実はドイツ語表記でMUSIKにしていました。

(ただこれだと英語のスペルミスに見えてしまい、コメントで指摘されそうだったので英語表記に戻しました。指摘されるほどコメ数ありませんが



その名残が、FILMです。英語ではMOVIEですが、ドイツ語だとFILMのようです。

これなら違和感がないかなとドイツ語のままにしておきました。



歌詞ありの部分です。


これは、元々はベッドに寝ていた少女が起きて、

辺りを見回す、というシーンで描いていたのですが、

ここまでリアルだと後々に表現が難しくなるので、

はじめからシンプルに、ファンタジー要素も入れたかったのでこの表現になっています。

後に「パスポーン」という歌詞が出てくるので、ポーンを2つ用意しました。

「君の分の居場所」がポカリと空いているよ、ということを表現しています。



白黒の部分です。





「色は飛び散り」というシーンで色を失います。カラーから白黒になる瞬間です。

(カラーはフィナーレ部分の鮮やかな部分を考慮して、

始めから色を失いつつあるような色にしております。

つまり、ちょっと鈍い色で表現していました)




花が散っているシーンです。






花から




雪に変わります。花のシーンは主人公もカラーにしようかなと思いましたが、

ややこしくなりそうだったので白黒で統一しました。







間奏の部分です。


設定を読むと、少年は「少しだけ待っていてね」という手紙を

少女に置いたまま姿を消えてしまいます。

その設定をどうPVで表現するかを考え、間奏に持って行くことにしました。




その手紙を見えづらい目で読む少女。







2番の冒頭部分。



捕まえてよ、ということで大きなポーンで包みました。

白黒の表現が面白かったです。




彼と楽しく過ごした、元気だった頃の自分と(比較的)おしゃれな洋服。



おしゃれ・・・難しいです。

でもファンタジー色を損なわないように、でもシンプルに、ということで

こんな洋服にしてみました。ミクということでツインテールにもしました。







煙の表現が、このアニメ塗りに無理に合わせると残念なことになりそうだったので

ポーンが溶けて少女が巻き込まれるというイメージにしました。






カラーから白黒になり、白黒から線だけになってしまった少女。

ポーンに巻き込まれた後の少女は線で表現しました。

(目が見えなくなっていく過程を表現したものです)

本来は、見えなくなっていく少女を現実っぽく客観的に描く予定でしたが

なんだか分かりづらくなりそうだったので、ここもシンプルに。






夢を捨て、最後の灯を守る決意をする少女。


少女の手からでる光は夢です。そして灯を両手で握りしめます。





少女の体は落ちていきます。

ポーンが何個も少女の側を通り過ぎます。








とうとう少年が現れます。




サビが2回?あるので、まずは白黒で。





久々のカラーです。







設定に、少女が涙を流す、とあります。

少女の感情を表現するには、涙は不可欠ですね。





最後の伴奏の部分です。

ここは、シルエットを遠目からみるようにしたいということでこうなりました。

始めの部分の背景がチェス盤だったので、締めもチェス盤で締めます。







最後の最後の画面です。

実は右下にDanke!(ドイツ語でThank You!)と書いていました。

ただ「なんじゃこりゃ」と思われても仕方がないので

やっぱり消しました。




こうやって振り返ってみると、ああ大変だったな、と思います。

でもシーンがひとつひとつ出来上がるにつれ喜びを感じるし、

出来上がった時は、達成感…を超えた何か――

疲労感、いや、なんだろう・・・


を感じます。


初めての映像製作で、アニメPVで、分からないことも沢山あって

時間もかかりました。でも作って良かったです。

またアニメPVをつくりたいという気持ちにもなりました。



こんなに拙い文章を最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。

これからもPV製作をぼちぼち…と続けていきます。

よろしくお願いします。




近いうちに次回作の「エスケープゴート」のオリジナルPVの製作ウラ話も書きたいと思います。



「BLINDHEIT」つくってみたPV製作ウラ話




「BLINDHEIT」のつくってみたPVに関連するイラストをピアプロに投稿していなかったので

冒頭のタイトルシーンをgifアニメにしてみました。

せっかくなのでずっと書きたかった製作に関することも書きます。


<つくってみたPVをつくるに至った経緯>

ボカロ楽曲をほとんど知らなかった頃、この作曲者さんの楽曲に出会いました。

この方の曲の詳細を見ると、楽曲の設定やストーリーが詳しく書かれており、

心をこめて楽曲を作っているのだろうと感じました。

せっかくPVをつくるのなら、こんな風に作る方の曲につけたい、と思い、

いつかPVをアニメで作りたいという夢を持っていた私は

作曲者さんにコンタクトをとり、つくってみたPVの許可を得ました。

(楽曲のタイトルがドイツ語ということで親近感を覚えました。)




周りに映像編集をする人も居ないので情報などはネットから仕入れました。

PV製作に必要なソフトを買い(高かったです\(^o^)/10万以上しました☆)、

ある程度ソフトを動かせるようになった上で、

作曲者さんにつくってみたPVの許可をとりにいきました。

既にニコニコ動画に投稿されていた曲のため、もちろん一人のファンとしての作品ということになります。

ここからは、その製作手順を紹介します。


<PVの製作手順>


1,想像する

とにかく楽曲を何度も聴きます。

聴きながら、脳内でイメージを固め、映像化します。

この曲の場合は、私には

ファンタジー色が少し残る、でもハイファンタジーではない、

どことなく寂しさを感じるロックのイメージでした。

一曲聴いた後に、なんだか物語を聴いた後のような、そんな気持ちになりました。

最後のサビ部分では、主人公の願望が叶う、聴く人によって

主人公の病気はどうなったのか、どうして少年が現れたのか、が分かれる

シーンが印象的でした。



2,覚える

何度も何度も聴いて曲そのものを覚えます。

歌詞はもちろん、リズムや伴奏、効果音も覚えます。

脳内での再現率をより高めるためには、本当に何度も聴きます。

なので、PVをつくろうと思った楽曲、実際にPVをつくった楽曲は

どのフレーズからも歌えるのではないかと思うくらい聴きました\(^o^)/

また、実際に製作する時は、秒数も数えます。

例えば、間奏と曲の入りの境目は、間奏が何秒間であるか、手を叩いてリズムをとっています。


(ここまでしなくても素晴らしいPVをつくっている方は沢山いるのかもしれません。

ただ私はここまでしないと全然製作に取り掛かれません、という単なる話ですが・・・><)



3,イメージイラストを描く

聴きながら、この部分はこのイメージだ、と描くこともあります。

ちなみにこの曲の時は大量にあった浪人時代のプリントの裏に描いておりました・・・。

でも思った通りに再現できないことが多いです。



4,設定画を描く

キャラのデザインなどを明確にします。

この曲のボーカルはミクですので、主人公はミクをイメージにした女の子のデザインにしました。

ただアニメにするとなると、ミクのあのままの髪の長さでは相当負担になるだろう、

ということで髪を短めにし、現実でもおかしくないくらいの長さにしました。

せっかくミクなので、元気だった頃の主人公の髪型はツインテールにしました。

男の子の方に関しては、細かな設定が記されていなかったため、

想像フリーなのかな?と思い、さわやか系としておきました。







(楽曲を何度も聴く)



5,絵コンテを描く(私の場合、イメージイラストで大雑把に描いています)

イメージを明確にするといった感じでしょうか。

脳内で再生しながら描くこともあります。自分のやりたいように再生できるからです。




6,絵をそれぞれ清書し、配置する

AfterEffectsという動画製作ソフトを用いて、透過したPNGイラストを動画に配置します。

もちろん、背景も自分で調達したり、描いたりしたものを配置します。

アニメPVの場合、PNGイラストを相当数使用しました。



1フレーズでレイヤーが1000枚くらいになることもあったので

ひとつコマがずれたときには大変でした\(^o^)/



↑はjpegなので不透明です。



7,動画を音声に合わせて再生しながら、曲に合わせてイラストを動かしたり、消したりする

私の場合、ほとんどのPV製作はここに時間を費やすと思います。

24分の1秒がすごく大切だったりします。

特にアニメPVの場合は少しずれただけで残念なことになりがちなので

微調整は必須です。(倒れそうなジェンガからそっと一本ジェンガを抜く時みたいな感じです)

ちなみにすごく目が疲れます。


(基本的に5,6,7を同時に何度もやり直している感じでしょうか)



8,Premiere Proで動画をつなげる

AEでつくった1動画40秒ほどの動画をつなげます。




9,エンコードする

動画が完成したら、mp4として出力します。

(拡張子がソフト専用のものからmp4になるといった感じです)



(まだ慣れていないからなのか、8,9も何度もやり直しています)



10,投稿する

再生回数が伸びなくても気にしないでください\(^o^)/







最終的にこのつくってみたPVには一ヶ月以上かかりました。

春休みを利用しての製作で一ヶ月なので朝から晩までBLINDHEITでした。

どのPVをつくっていても起こるのですが、やはりつらいと思う時期はあります。

当たり前ですが、その時期に手抜きをしないことが大切です。

無理やりすぐに作るのではなく、日にちを置くことも重要だと思います。




まだ書きたいことがありますが、ずらずらと書いてもあまり意味が無さそうなので

ここで終えておきます。

思っていることの10分の1ほどしか書けませんでしたが、

ちょっとは表現できたかなという感じです。

次回はシーン毎の解説を行います。






最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。